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和室に合うモダンな照明器具の選び方。伝統と今を繋ぐあかりの実例

うちの和室、もっとおしゃれにならないかな?そんな悩みは照明一つで解決できるかもしれません。伝統的な和室の良さを活かしつつ、現代的なセンスをプラスする照明選びのコツと実例をご紹介します。

中央に置かれた和紙のランタンが優しく光る、静かでモダンな和室
静寂に包まれた和室に、ぽつんと灯る一つのあかり。その光景は、まるで空間そのものが呼吸しているかのよう。日々の喧騒を忘れさせてくれる、特別な時間が流れます。Source: quentin touvard / unsplash

畳のい草の香り、障子を通して柔らかく差し込む自然光、そして凛とした静けさ。和室には、他のどんな部屋にもない、独特の心地よさがありますよね。ですがその一方で、「うちの和室、なんだか古くさい感じがする…」「もっと現代のインテリアに合う、おしゃれな空間にしたい」と感じている方も少なくないのではないでしょうか。

実は、その悩みの鍵を握っているのが「照明」なんです。正直なところ、私も以前は「和室の照明=天井に張り付いた四角い蛍光灯」というイメージしかありませんでした。でも、照明一つを変えるだけで、和室は伝統的な魅力を失うことなく、驚くほどモダンで洗練された空間に生まれ変わるんです。

この記事では、和室のポテンシャルを最大限に引き出す、モダンな照明器具の選び方から、具体的なコーディネートの実例まで、詳しくご紹介していきます。あなたの家の和室も、きっと今よりもっと好きになるはずです。

なぜ「和モダン」な照明が心地よいのか

そもそも、なぜ和室にモダンなデザインの照明がしっくりくるのでしょうか。それは、和室が持つ「シンプルさ」と、モダンデザインが追求する「機能美」の相性がとても良いからだと感じます。

和室は、畳、障子、土壁、木製の柱など、自然由来の素材で構成されています。余計な装飾を削ぎ落とした、ミニマルな空間とも言えますよね。そこに、同じくシンプルで洗練されたフォルムを持つモダンな照明を置くと、互いの良さを打ち消し合うことなく、すんなりと溶け込んでくれるのです。

さらに、モダンな照明がもたらす「光の質」も重要です。例えば、和紙を使ったシェードのペンダントライトは、LEDの直接的な光を柔らかく拡散させ、空間に温かみのある陰影を生み出します。それはまるで、昔ながらの行灯(あんどん)や提灯(ちょうちん)が現代的にアップデートされたかのよう。伝統的な和のあかりが持つ「癒し」の本質はそのままに、現代の暮らしにフィットするデザインへと昇華されているのです。

モダンな寝室の壁際に設置された間接照明
壁に埋め込まれた照明が、空間に奥行きとリズムを生み出しています。直接的な光ではないからこそ、心が落ち着き、深いリラックスへと誘われるようです。Source: iKshana Productions / unsplash

和室の照明選び、3つの基本ポイント

では、具体的にどのような点に注目して照明を選べば良いのでしょうか。たくさんの選択肢の中から、あなたの和室にぴったりの一つを見つけるための、3つの基本的なポイントをご紹介します。

1. 光の色は「電球色」を基本に

照明の光には、オレンジがかった温かみのある「電球色」、太陽光に近い自然な「昼白色」、青みがかった涼しげな「昼光色」などがあります。和室の畳や木、土壁といった自然素材の風合いを最も美しく見せてくれるのは、断然「電球色」です。リラックスした、落ち着きのある雰囲気を演出するのに最適で、まるで高級旅館にいるかのような上質な空間を作り出してくれます。

もちろん、読書や作業をする際には、もう少し明るく白い光が欲しくなることもありますよね。そんな時に便利なのが、リモコン一つで光の色や明るさを調整できる「調光・調色機能」付きの照明です。シーンに合わせて光を使い分けることで、和室の快適性は格段にアップします。

2. 素材とデザインで「和」のエッセンスを

モダンなデザインの中にも、どこか「和」を感じさせる要素を取り入れるのが、おしゃれに見せるコツです。例えば、シェードの素材に和紙や木、竹、籐(ラタン)といった自然素材が使われているものを選ぶと、空間に統一感が生まれます。

形は、円や四角といったシンプルな幾何学フォルムがおすすめです。特に、イサム・ノグチの「AKARI」シリーズに代表されるような、和紙を使った球体のペンダントライトは、和モダンな空間の象徴とも言えるアイテム。一つあるだけで、部屋の雰囲気がぐっと洗練されます。派手な装飾は避け、素材感とフォルムの美しさで選ぶのがポイントです。

3. 「一室多灯」で光に奥行きを

部屋全体を一つの照明で均一に照らす「一室一灯」も悪くありませんが、より上質でおしゃれな空間を目指すなら、「一室多灯」がおすすめです。これは、シーリングライトやペンダントライトといった主役の照明(主照明)に加えて、フロアランプやテーブルランプ、間接照明などの補助的な照明を組み合わせる考え方です。

例えば、部屋の隅にフロアランプを置くと、光の重心が下がり、空間に落ち着きと奥行きが生まれます。また、テレビの裏や床の間に間接照明を仕込むと、壁に光のグラデーションができ、幻想的でムーディーな雰囲気を演出できます。必要な場所に必要なだけのあかりを配置することで、光にメリハリが生まれ、単調になりがちな和室の表情を豊かにしてくれるのです。

実例で見る、和室のモダン照明コーディネート

最後に、具体的な照明の種類別に、素敵なコーディネートの実例を見ていきましょう。あなたの理想の和室をイメージしながら、参考にしてみてください。

主役になる「ペンダントライト」

天井から吊り下げるペンダントライトは、空間のアクセントとして最も取り入れやすいアイテムの一つです。特に、低めの位置に吊るすことで、視線がそこに集まり、カフェのようなおしゃれな雰囲気になります。畳に座る生活が中心の和室とは、特に相性が良いと言えるでしょう。和紙や木、ガラスなど、シェードの素材によって印象が大きく変わるのも楽しいポイントです。

空間をすっきり見せる「シーリングライト/ダウンライト」

天井に直接取り付けるシーリングライトや、天井に埋め込むダウンライトは、空間を広く、すっきりと見せたい場合に最適です。最近では、木製のフレームが付いたものや、和紙調のカバーが付いた和室向けのモダンなデザインも豊富にあります。特にダウンライトは、複数配置することで、明るさを確保しつつ、ホテルライクな洗練された空間を演出できます。

癒しの空間を演出する「フロアランプ/間接照明」

床に直接置くフロアランプや、壁際を照らす間接照明は、和室を「癒しの空間」として格上げしてくれる名脇役です。直接的な光ではないため、目にも優しく、リラックス効果は抜群。寝室として使う和室なら、ベッドサイドに小さなフロアランプを置くだけで、眠りにつく前の穏やかな時間を作ることができます。

照明は、ただ部屋を明るくするための道具ではありません。光と影を操り、空間の雰囲気や人の心にまで影響を与える、インテリアの最も重要な要素の一つです。

この記事を参考に、ぜひあなたの和室に新しい「あかり」を迎えてみてください。きっと、今まで知らなかった和室の魅力に出会えるはずです。そして、その光の下で過ごす時間が、あなたにとってかけがえのないものになることを願っています。

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