交通

ヴェネツィアの足、ヴァポレット24時間券を使いこなす!おすすめルートと賢い乗り方

水の都ヴェネツィアを巡るなら、水上バス「ヴァポレット」は欠かせない存在。24時間券を最大限に活用して、効率的かつロマンチックに街を探索する秘訣を、私の体験談を交えながらご紹介します。

夕暮れのヴェネツィア・グランドカナルと、行き交うヴァポレットやゴンドラ
夕日に染まるグランドカナル。この魔法のような時間帯にヴァポレットに乗るのが、私の一番のお気に入りです。Source: Pixabay / Pexels

ヴェネツィア、その名前を聞くだけで、迷路のような水路と優雅なゴンドラ、そして歴史が息づく美しい建物が織りなす、幻想的な風景が目に浮かびますよね。私も初めてこの街を訪れた時、そのあまりの美しさに、ただただ息を呑むばかりでした。車が一切走らないこの「水の都」で、私たちの足となって大活躍してくれるのが、水上バス「ヴァポレット」です。今回は、このヴァポレットを賢く、そして心ゆくまで満喫するための「24時間券」の活用法と、私自身が体験して心からおすすめしたいモデルルートを、たっぷりの熱意を込めてご紹介したいと思います。

正直なところ、ヴェネツィアの物価、特に交通費は少し高めに感じられるかもしれません。ヴァポレットの1回乗車券が9.5ユーロ(2024年時点の情報)と聞くと、「え、そんなにするの?」と一瞬ためらってしまう気持ち、すごくよく分かります。私も最初は「なるべく歩いて節約しようかな…」なんて考えていました。でも、もしあなたが1日に3回以上ヴァポレットに乗る可能性があるなら、迷わず24時間券(25ユーロ)を手に入れるべきです。これは断言できます。なぜなら、ヴェネツィアの石畳の道は想像以上に足にきますし、何より、水上から眺めるヴェネツィアの景色は、地上を歩いているだけでは決して味わうことのできない、特別な感動を与えてくれるからです。

まずはチケットを手に入れよう!購入から利用開始まで

さて、そのお得な24時間券ですが、どこで手に入れられるのでしょうか。購入場所は意外とたくさんあります。サンタ・ルチア駅やリアルト橋、サン・マルコ広場といった主要なヴァポレット乗り場にあるチケットオフィスや、そこに設置されている自動券売機が最も一般的です。特に自動券売機は英語表示も選べるので、イタリア語に自信がなくても大丈夫。クレジットカードが使える機械も多いので、現金を持ち歩きたくない派にも嬉しいですよね。

チケットを手に入れたら、絶対に忘れてはならないのが「バリデーション(有効化)」です。乗船する前に、乗り場の入り口にある小さな機械にチケットを「ピッ」とタッチするだけ。これを忘れてしまうと、もし検札員が乗ってきてチェックされた際に、高額な罰金を請求されてしまう可能性があります。せっかくの楽しい旅が台無しにならないよう、乗る前の「ピッ」、必ず習慣にしてくださいね。この最初のタッチから、あなたの24時間のヴェネツィア水上散歩がスタートします。

ヴァポレットの自動券売機を操作する人の手元
旅の計画を立てながら、券売機でチケットを選ぶ。この時間もまた、旅の醍醐味のひとつです。Source: Liliana Drew / Pexels

24時間券をフル活用!おすすめ欲張りルートプラン

せっかく手に入れた24時間乗り放題のチケット。これを使わない手はありません。私が実際に試してみて「これは最高だ!」と感じた、少し欲張りなモデルルートをご紹介します。もちろん、これはあくまで一例。あなたの興味に合わせて自由にアレンジしてみてくださいね。

午前:ガラスの島「ムラーノ」で職人技に触れる

まずは朝一番、フォンダメンタ・ヌォーヴェ(F.te Nove)乗り場からヴァポレットに乗って、ガラス工芸で世界的に有名なムラーノ島へ向かいましょう。朝の光が水面に反射してキラキラと輝く中を船で進むのは、本当に気持ちがいいものです。島に到着したら、ぜひガラス工房を訪れてみてください。目の前で真っ赤に溶けたガラスが、職人の魔法のような手つきで美しい芸術品に変わっていく様子は、まさに圧巻の一言。お土産に小さなガラスのアクセサリーを探すのも楽しい時間です。

午後:カラフルな家々が待つ「ブラーノ」島へ

ムラーノ島を堪能したら、再びヴァポレットに乗って、今度はお隣のブラーノ島へ。ここは、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような、カラフルな家々が立ち並ぶ島。赤、青、黄色、ピンク…見渡す限りの色彩の洪水に、思わずカメラのシャッターを切る手が止まらなくなります。レース編みの伝統でも知られるこの島で、路地裏の小さなカフェに立ち寄り、本場のエスプレッソで一息つくのもおすすめです。

夕方〜夜:グランドカナルを巡る、光のクルーズ

ブラーノ島から本島へ戻る頃には、ちょうど夕暮れ時。ここからが24時間券の真骨頂です。サン・マルコ広場から1番か2番のヴァポレットに乗り込み、サンセットに染まるグランドカナル(大運河)クルーズを楽しみましょう。夕日に照らされて黄金色に輝くリアルト橋や、歴史ある貴族の館が次々と現れる様は、息を呑むほどの美しさ。そして日が完全に落ちた後、今度はライトアップされた建物が水面に揺れる、ロマンチックな夜景が広がります。昼間の喧騒が嘘のような静かな運河をヴァポレットで進む時間は、ヴェネツィア旅行のハイライトになること間違いありません。

旅を快適にする、ちょっとしたヒント

最後に、ヴァポレットをさらに快適に利用するための小さなコツをいくつか。観光シーズン中の日中は非常に混み合いますので、スリには十分注意してください。リュックは前に抱えるなど、貴重品の管理はしっかりと。また、ヴァポレットには進行方向に向かって右側と左側、どちらの景色も楽しめるように、屋外の席が設けられていることが多いです。天気の良い日は、ぜひ外の空気を吸いながら、ヴェネツィアのパノラマを全身で感じてみてください。

ヴェネツィアは、歩いて巡るからこそ発見できる魅力と、水上から眺めることでしか感じられない魅力、その両方を持つ不思議な街です。ヴァポレットの24時間券は、その二つの魅力を繋いでくれる、まさに魔法のチケット。この一枚を手に、あなただけの特別なヴェネツィアの物語を紡いでみませんか。水面を滑る船の上で過ごす時間は、きっと忘れられない、きらめく思い出として心に残るはずです。

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