相続税の計算方法、これでスッキリ!基礎控除から申告までの完全ガイド
「相続税って、なんだか難しそう…」そう感じていませんか?大切な家族が遺してくれた財産をきちんと受け継ぐために、知っておきたい相続税の基本。計算方法から基礎控除、申告の流れまで、わかりやすく解説します。

家族との突然の別れ。深い悲しみの中で、さまざまな手続きに追われる日々に、心がすり減ってしまう方は少なくないと思います。私も以前、身近な人を亡くした経験がありますが、当時は正直、何から手をつけていいのか分からず、ただただ途方に暮れていました。そんな中で「相続税」という言葉が重くのしかかってくると、不安はさらに大きくなりますよね。
「うちには関係ないと思っていた」「計算方法なんて、まったく見当もつかない…」そんな声もよく耳にします。でも、安心してください。相続税は、その仕組みを正しく理解すれば、決して怖がる必要のないものです。今回は、相続税の基本中の基本である「基礎控除」の考え方から、具体的な計算ステップ、そして申告までの流れを、できるだけ専門用語を避けて、一緒に確認していきたいと思います。大切な人を想う気持ちを、余計な心配で曇らせないために。まずは、この第一歩から始めてみませんか。
そもそも、相続税は誰でも払う必要があるの?
相続税と聞くと、「家や土地を持っている人はみんな払うもの」というイメージがあるかもしれません。でも、実はそうではないんです。国税庁のデータを見ても、亡くなった方の中で実際に相続税が課税されたケースは、全体の1割にも満たないと言われています。つまり、ほとんどのご家庭では、相続税を支払う必要がない、ということなんです。
では、その分かれ道はどこにあるのでしょうか。それが、今回一番お伝えしたい**「基礎控除」**という考え方です。すごく簡単に言うと、「この金額までの財産なら、税金はかかりませんよ」という非課税の枠のこと。この基礎控除額を、故人が遺した財産の総額が上回るかどうか。それが、相続税申告の最初の、そして最大の関門になります。
ですから、まずやるべきことは、パニックになって税理士を探すことではありません。「うちは、そもそも相続税の対象になるのかな?」と、この基礎控除の額を確かめてみること。それだけで、多くの方の不安は、すっと軽くなるはずです。この「知る」という行為が、心を落ち着ける何よりの処方箋になることもありますから。
すべての計算はここから!「基礎控除」を学ぼう
では、その大切な「基礎控除」の額は、どうやって計算するのでしょうか。計算式は、驚くほどシンプルです。
基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
この式さえ覚えておけば、大まかな目安はすぐに立てられます。たとえば、お父様が亡くなり、相続人がお母様と子供2人の合計3人だったとしましょう。この場合の法定相続人は3人ですから、基礎控除額は「3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円」となります。つまり、お父様が遺した財産の総額が4,800万円以下であれば、相続税はかからず、原則として申告も不要になる、ということです。
ここでポイントになるのが**「法定相続人」**の数です。法定相続人とは、民法で定められた相続する権利を持つ人のこと。一般的には、亡くなった方の配偶者は常に相続人となり、それに加えて子供、親、兄弟姉妹の順で優先順位が決まっています。たとえば、子供がいる場合は、親や兄弟姉妹は相続人にはなりません。この法定相続人の数を正確に把握することが、正しい基礎控除額を算出するための第一歩。もし、養子縁組や相続放棄など、少し複雑な事情がある場合は、戸籍謄本などを確認しながら、慎重に判断する必要があります。

財産をリストアップ!相続税がかかるもの、かからないもの
基礎控除の計算方法がわかったら、次は「故人が遺した財産の総額」を把握するステップに進みます。これが意外と大変な作業で、私も一番時間がかかった記憶があります。でも、ここを乗り越えれば、ゴールはもうすぐそこです。
まず、預貯金、不動産(土地・家屋)、株式や投資信託などの有価証券といった「プラスの財産」をすべてリストアップします。通帳や証券会社の取引残高報告書、不動産の固定資産税納税通知書などが手がかりになりますね。見落としがちなのが、故人名義のゴルフ会員権や自動車、骨董品など。これらも評価額によっては財産に含まれます。
一方で、忘れてはならないのが、生命保険金や死亡退職金です。これらは「みなし相続財産」と呼ばれ、相続税の課税対象となります。ただし、これらには相続人の生活を守るという目的から、特別な非課税枠が設けられています。その額は**「500万円 × 法定相続人の数」**。たとえば法定相続人が3人なら、1,500万円までは非課税で受け取れる計算です。この非課税枠は、先ほどの基礎控除とは別枠で適用されるので、大きなポイントになります。
最後に、借入金や未払いの医療費、税金といった「マイナスの財産」と、葬儀費用をプラスの財産から差し引きます。こうして算出された金額が、最終的に基礎控除額と比較する「正味の遺産額」となるのです。
基礎控除を超えたら?申告までの3ステップ
もし、正味の遺産額が基礎控除額を上回ってしまった場合。ここからが、相続税の申告に向けた本番です。申告と納税の期限は、**「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」**と定められています。長いようであっという間ですから、計画的に進めていきましょう。
ステップ1:遺産分割協議 まず、相続人全員で「誰が、どの財産を、どれくらいの割合で相続するのか」を話し合います。これを遺産分割協議といい、全員が合意したら「遺産分割協議書」という書類を作成します。この協議が、後の税額計算の基礎となるため、非常に重要です。
ステップ2:相続税額の計算 次に、協議で決まった内容に基づいて、各相続人が納めるべき税額を計算します。相続税は、取得する財産が多ければ多いほど税率が高くなる「累進課税」が採用されています。国税庁のウェブサイトに速算表が掲載されているので、それに当てはめて計算を進めます。また、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」など、特定の条件を満たすことで税額が大幅に軽減される制度もあります。これらを適用できるかどうかで納税額が大きく変わるため、専門家への相談も視野に入れるべき段階です。
ステップ3:申告書の作成と提出 最後に、計算結果を相続税の申告書に記入し、必要書類を添付して、亡くなった方の最後の住所地を管轄する税務署に提出します。申告書の様式や書き方の手引きも、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。納税は、原則として現金一括払いです。期限内に申告と納税を済ませれば、一連の手続きは完了となります。
相続という、ただでさえ心労の大きい時期に、税金の手続きまで行うのは本当に大変なことだと思います。でも、故人が遺してくれた大切な想いを、未来へきちんと繋いでいくための、最後の、そしてとても重要な務めでもあります。
もし、少しでも不安を感じたり、手続きの途中で分からなくなったりしたら、決して一人で抱え込まないでください。税務署の相談窓口や、税理士といった専門家は、そんなあなたのための水先案内人です。彼らの力を借りることも、賢い選択の一つ。どうか、あなた自身の心と体を大切にしながら、この大切な時期を乗り越えていってくださいね。
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