【簿記3級】合格に必要な勉強時間は?独学でも大丈夫?リアルな目安を徹底解説
簿記3級の合格を目指すとき、多くの人が気になるのが「勉強時間」。この記事では、一般的な目安から、あなたの状況に合わせたリアルな学習計画まで、詳しく解説します。

「簿記3級、取ってみようかな」と考えたとき、多くの人の頭に浮かぶのが「一体、どのくらい勉強すれば合格できるんだろう?」という疑問ではないでしょうか。仕事や学業と両立しながら、限られた時間で効率よく学習を進めたいですものね。
巷では「100時間」という数字がよく言われますが、正直なところ、これはあくまで平均的な目安。私自身もそうでしたが、会計の知識がゼロの状態から始める人と、少しでも実務経験がある人とでは、スタートラインが全く違います。だから、この数字だけを鵜呑みにして計画を立てるのは、ちょっと危険かもしれません。
この記事では、単なる平均時間だけでなく、あなたの現在の状況や使える時間に合わせて、より現実的な勉強時間の目安を立てるお手伝いをしたいと思います。独学で挑戦しようと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。一緒に、合格までの最短ルートを探っていきましょう。
一般的な勉強時間の目安は「50〜100時間」
まず、基本となる情報からお話しします。多くの資格予備校や合格者の体験談で語られている簿記3級の標準的な勉強時間は、およそ「50時間から100時間」の範囲です。これは、商業簿記の基本的な知識(仕訳、勘定科目、帳簿、決算整理など)をひと通り学び、問題演習をこなせるようになるまでの時間とされています。
この「50〜100時間」を具体的な期間に落とし込んでみましょう。例えば、平日に毎日1時間、週末に3時間ずつ勉強時間を確保できるとします。すると、1週間で合計11時間。100時間を達成するには、約9週間、つまり2ヶ月ちょっとかかる計算になります。もし、もう少しペースを上げて毎日2時間勉強できれば、1ヶ月半ほどで目標に到達できますね。
ただし、これはあくまで「簿記の知識が全くない初学者」を前提とした数字です。学生時代に少しだけかじったことがある、あるいは仕事で請求書や経費精算に触れる機会が多いなど、少しでも下地があれば、この時間はぐっと短縮される可能性があります。逆に、数字に苦手意識があったり、集中できる時間が細切れになりがちだったりすると、もう少し余裕を持った計画が必要になるかもしれません。大切なのは、この数字をゴールではなく、あくまで「地図」として捉えること。自分のペースで、着実に一歩ずつ進むことが合格への一番の近道です。
勉強時間を左右する3つの重要な要素
「100時間」という目安はあれど、実際にはもっと短い時間で合格する人もいれば、それ以上の時間が必要な人もいます。その差はどこから生まれるのでしょうか?実は、勉強時間を大きく左右する、見過ごせない3つのポイントがあるんです。
1. 会計知識の有無(スタートラインの違い)
これが最も大きな要因かもしれません。例えば、経理部で働いている方や、個人事業主として確定申告の経験がある方は、すでに「借方・貸方」といった基本的な概念や勘定科目に馴染みがあるはずです。そうした方々にとっては、簿記3級の学習内容は「知識の整理」に近い作業になるため、50時間もかからずに合格レベルに達することも珍しくありません。一方で、これまで会計や経理とは全く無縁の世界にいた方にとっては、一つひとつの用語が新しく、理解に時間がかかるのは当然のこと。焦る必要は全くありません。自分のスタートラインを客観的に把握し、「自分は丁寧に時間をかける必要があるな」と認識することが、挫折しないための第一歩です。
2. 学習スタイル(独学か、講座を利用するか)
次に、どのように学ぶかという「学習スタイル」も重要です。市販のテキストと問題集だけで進める「独学」は、自分のペースで進められる自由さと、コストを抑えられるのが最大のメリット。しかし、疑問点が出てきたときにすぐに解決できなかったり、モチベーションの維持が難しかったりという側面もあります。一方、オンライン講座や資格予備校を利用する場合、プロの講師が要点を絞って分かりやすく解説してくれるため、理解のスピードは格段に上がります。特に、図や具体例を多用した講義は、初学者がつまずきやすいポイントをスムーズに乗り越える手助けをしてくれるでしょう。どちらが良いというわけではなく、自分の性格や予算、確保できる時間に合わせて最適な方法を選ぶことが、結果的に勉強時間の短縮につながります。
3. 勉強の質と集中力
最後に、見落としがちですが非常に大切なのが「勉強の質」です。だらだらと2時間テキストを眺めるよりも、集中して1時間問題演習に取り組む方が、何倍も効果が高いのは言うまでもありません。例えば、「今日は仕訳問題を20問解く」「この1時間で決算整理の範囲を復習する」といったように、毎回具体的な目標(タスク)を設定するのがおすすめです。また、スマートフォンの通知をオフにする、静かな場所を確保するなど、集中できる環境を整える工夫も効果的。細切れの時間でも、質の高い学習を積み重ねることができれば、トータルの勉強時間は確実に短縮されていきます。時間がないからと諦める前に、まずは「15分だけ集中する」ことから始めてみてはいかがでしょうか。

初学者向け・2ヶ月で合格を目指す学習プラン例
では、具体的にどのようなペースで学習を進めれば良いのでしょうか。ここでは、会計知識ゼロの初学者が、約2ヶ月(8週間)で合格を目指す場合の標準的な学習プランを提案してみたいと思います。あくまで一例なので、ご自身の生活リズムに合わせて調整してみてください。
【1ヶ月目:インプット中心の期間】 最初の1ヶ月は、簿記の基本的なルールと全体像を把握することに集中します。焦って問題を解くよりも、「なぜこうなるのか?」という理屈を理解することが目的です。
- 1〜2週目:簿記の基礎と日常的な取引
- 簿記とは何か、仕訳のルール(借方・貸方)、勘定科目などを学びます。
- 現金、預金、商品売買、手形など、基本的な取引の仕訳をテキストで確認し、簡単な例題を解いてみましょう。この段階では、完璧にできなくても大丈夫。「こういうものか」と流れを掴むことを優先してください。
- 3〜4週目:決算整理前までの応用論点
- 固定資産の購入や売却、有価証券、給料の支払いなど、少し複雑な取引に進みます。
- 同時に、試算表の作成方法を学び、期中の取引が正しく記録されているかを確認するプロセスを理解します。このあたりから、勘定科目同士のつながりが見えてくると、学習が面白くなってきます。
【2ヶ月目:アウトプット中心の期間】 2ヶ月目からは、知識を使う練習、つまり問題演習がメインになります。簿記は「習うより慣れろ」の世界。手を動かしてこそ、知識が定着します。
- 5〜6週目:決算整理と総合問題
- 簿記3級の最重要論点である「決算整理」を徹底的に学習します。減価償却、貸倒引当金、費用の繰延べ・見越しなど、最初は難しく感じるかもしれませんが、一つひとつ丁寧に仕訳のパターンを覚えましょう。
- テキストの総合問題や、簡単な過去問に挑戦し始めます。最初は時間がかかっても全く問題ありません。解答・解説をじっくり読み込み、間違えた原因を必ず特定することが重要です。
- 7〜8週目:過去問・予想問題演習と弱点克服
- 本番と同じ時間(60分)を計って、過去問や予想問題を解きます。時間配分の感覚を掴むことが最大の目的です。
- 解き終わったら、必ず見直しを。特に、何度も間違えてしまう論点は、テキストに戻って復習しましょう。自分の弱点を潰していく最後の追い込みが、合否を分けます。試験直前は、新しい問題に手を出すよりも、これまで解いた問題の復習に時間を使いましょう。
このプランは、あくまで一例です。週末にまとめて時間を取れる方は、平日は復習、週末に新しい論点を進めるという方法も良いでしょう。大切なのは、計画に縛られすぎず、自分の理解度に合わせて柔軟に進めていくことです。
簿記3級の勉強は、決して楽な道のりではありません。しかし、一つひとつの取引が帳簿に記録され、最終的に会社の財産や成績を示す財務諸表にまとまっていくプロセスは、パズルを解くような面白さがあります。
ここで紹介した勉強時間は、あくまで多くの人が通過する平均的な道のりを示したものです。大切なのは、その時間をどう使うか、そして何より、学習を継続すること。日々の小さな積み重ねが、気づけば「合格」という大きな自信に変わっているはずです。
あなたの挑戦が、素晴らしい結果に結びつくことを心から応援しています。
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