【2025年版】イタリアの鉄道「トレニタリア」完全ガイド！予約から乗り方まで

イタリア旅行を計画していると、必ず耳にするのが「トレニタリア（Trenitalia）」という言葉。ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア…魅力的な都市を結ぶ、イタリア国鉄の高速鉄道です。正直、海外の鉄道って聞くと「なんだか難しそう…」って思いませんか？私も最初はそうでした。でも、一度コツを掴んでしまえば、これほど快適で便利な移動手段はありません。

この記事では、私自身が何度もイタリアを旅して得た経験をもとに、トレニタリアのチケット予約から乗車までの流れを、どこよりも分かりやすく、そして丁寧にご紹介します。特に、日本の新幹線とは少し違う「駅での作法」は必見です。

これを読めば、あなたもきっとトレニタリアを乗りこなし、イタリアの旅が何倍も自由で、楽しいものになるはず。さあ、一緒にイタリア鉄道の旅に出かけましょう。

まずは基本から！トレニタリアってどんな鉄道？

トレニタリアは、イタリア全土に広がる鉄道網を運営する、日本のJRのような存在です。その中でも、旅行者が主にお世話になるのは、都市間を結ぶ中長距離列車でしょう。これにはいくつかの種類があり、それぞれ速度や料金、停車駅が異なります。

代表的なのは、なんといっても「フレッチャロッサ（Frecciarossa）」、通称「赤い矢」です。その名の通り、最高時速300kmで主要都市を駆け抜ける、トレニタリアの看板列車。日本の新幹線のように速く、そして快適です。車内は清潔で、座席も広く、Wi-Fiや電源も完備されていることが多いので、移動中もストレスフリー。ミラノからローマまで約3時間と、飛行機にも引けを取らない速さが魅力です。

もう少し手頃な選択肢としては、「フレッチャルジェント（Frecciargento）」や「フレッチャビアンカ（Frecciabianca）」があります。これらはフレッチャロッサが走らない路線をカバーしたり、少し停車駅が多かったりしますが、それでも十分に速く快適。そして、各駅停車のように小さな町を結ぶ「レジョナーレ（Regionale）」は、ローカルな旅を楽しみたい人におすすめです。旅のプランや予算に合わせて、これらの列車を賢く使い分けるのがポイントです。

チケット予約はオンラインが断然おすすめ！

さて、乗る列車が決まったら、次はチケットの予約です。駅の窓口や券売機でも購入できますが、私のおすすめは断然、公式サイトか公式アプリでのオンライン予約。なぜなら、早く予約すればするほど、割引率の高いチケットが手に入る可能性が高いからです。特にフレッチャロッサなどの高速鉄道は、早割を狙うのが鉄則です。

予約はとても簡単。トレニタリアの公式サイト（英語表示可能）にアクセスし、出発地（Da / From）、目的地（A / To）、日時、人数を入力して検索するだけ。すると、利用可能な列車が一覧で表示されます。ここで重要なのが、料金プランの選択。「Super Economy」や「Economy」といった割引料金は、変更や払い戻しに制限があることが多いですが、とにかく安い！予定が確定しているなら、迷わずこちらを選びましょう。

座席の指定もオンラインで可能です。進行方向を向いた席、窓側、通路側など、好みに合わせて選べるのは嬉しいポイント。予約が完了すると、メールでQRコード付きのEチケットが送られてきます。これをスマートフォンに保存しておくか、印刷しておけばOK。当日は、このQRコードを車掌さんに見せるだけで乗車できます。本当にスマートで簡単ですよね。

駅に着いたらやるべきこと【最重要：刻印】

オンラインでスマートにチケットを予約したら、いよいよ乗車日。イタリアの主要駅、例えばローマのテルミニ駅やミラノ中央駅は、巨大で美しいですが、その分少し複雑です。でも、ポイントさえ押さえれば大丈夫。

まず駅に着いたら、大きな電光掲示板「Partenze（出発）」を探しましょう。ここに、発車時刻、列車番号（Treno）、最終目的地（Destinazione）、そして最も重要なプラットフォーム番号（Binario / BIN）が表示されます。注意したいのは、プラットフォーム番号が表示されるのが、発車の15〜20分前くらいだということ。ギリギリまで表示されないことも多いので、焦らず待ちましょう。

そして、ここが最も重要なポイントです。もしあなたが、オンライン予約ではなく、駅の券売機や窓口で「レジョナーレ（各駅停車）」の紙のチケットを買った場合、乗車前に必ず「刻印（打刻）」をしなければなりません。駅の至る所にある緑色の小さな機械（Convalida）に、チケットの矢印が書いてある方を差し込むと、ガチャンと日時が刻印されます。これを忘れて乗車し、車内検札で見つかると、高額な罰金を科される可能性があります。フレッチャロッサなどのEチケット（QRコード）の場合は不要ですが、紙のチケット、特にレジョナーレの場合は「乗る前に刻印！」と覚えておいてください。

いざ乗車！快適な列車の旅を楽しもう

プラットフォーム番号が表示されたら、自分の乗る列車に向かいます。フレッチャロッサなどの高速鉄道は、チケットに車両番号（Carrozza / Vettura）と座席番号（Posti）が記載されているので、プラットフォームの表示を確認しながら自分の車両を探しましょう。日本の新幹線のように、乗車位置が正確に決まっているわけではないので、大体の位置で待って、列車が来たら車両番号を確認して乗り込むスタイルです。

車内に乗り込んだら、まずは荷物の置き場所を確保。大きなスーツケースは、各車両の端にある専用の荷物置き場に置くのが一般的です。ただ、盗難が心配な場合は、ワイヤーロックなどでスーツケースを棚に固定しておくと安心感が格段にアップします。座席上の棚は、機内持ち込みサイズ程度の荷物なら問題なく置けます。

席に着いたら、あとはリラックスして車窓の風景を楽しむだけ。検札が来たら、スマートフォンのEチケット（QRコード）か、刻印済みの紙のチケットを見せましょう。イタリアの美しい田園風景や、遠くに見える歴史的な街並みを眺めていると、あっという間に目的地に到着します。この優雅な移動時間こそ、鉄道旅の醍醐味ですよね。

イタリアの鉄道の旅は、少しの知識と準備さえあれば、驚くほどスムーズで快適です。この記事が、あなたの素晴らしいイタリア旅行の助けになることを心から願っています。どうぞ、素敵な旅を！