鳥取市の魅力は砂丘だけではありません。地元の人も訪れる隠れた名所や、美味しいグルメを巡るモデルコースをご紹介します。
鳥取、と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、やはりあの広大な「鳥取砂丘」ではないでしょうか。果てしなく続く砂の丘と、その先に広がる日本海の青。あの圧倒的なスケールの景色は、一度見たら忘れられない、まさに鳥取の象徴ですよね。私も、もちろんその壮大さに心を奪われた一人です。
でも、もし「鳥取の魅力は砂丘だけ?」と聞かれたら、私は「とんでもない!」と全力で首を横に振ります。実は、鳥取市には、砂丘の影に隠れた、もっとディープで心惹かれる場所がたくさんあるんです。観光客で賑わう王道のスポットから一歩踏み出すだけで、そこには静かで美しい自然や、豊かな歴史、そして地元の人々の温かい日常が息づいています。
正直に言うと、私も最初は「砂丘以外に何があるんだろう?」なんて思っていました。でも、実際に自分の足で歩き、調べてみると、その考えはすっかり覆されました。今回は、そんな私が「もっと多くの人に知ってほしい!」と心から感じた、鳥取市の隠れた名所と、それらを巡るおすすめの観光ルートを、少しだけ個人的な想いも交えながらご紹介したいと思います。
砂丘の次に向かいたい、もう一つの海岸美「浦富海岸」
鳥取砂丘の力強い風景に感動したら、次におすすめしたいのが、そこから車で少し東へ走ったところにある「浦富海岸(うらどめかいがん)」です。ここは「山陰の松島」とも称される国の名勝で、砂丘とはまったく違う、変化に富んだ海岸美を堪能できる場所。日本海の荒波が作り出した断崖、奇岩、洞門が約15kmにわたって続いています。
この海岸の魅力は、何と言ってもその海の透明度。沖縄の海にも負けないと言われるほどの透き通った水は「岩美ブルー」と呼ばれ、太陽の光を浴びてキラキラと輝きます。この絶景を間近で感じるなら、島々を巡る遊覧船がぴったり。海の上から見上げる奇岩の迫力や、吸い込まれそうなほどの青い海に、きっと感動するはずです。

もちろん、船からだけでなく、陸から楽しむのもまた一興。海岸沿いには遊歩道が整備されていて、自分のペースでゆっくりと散策できます。私のお気に入りは、鴨ヶ磯(かもがいそ)展望所からの眺め。入り組んだ入り江と、そこに浮かぶ小さな島々のコントラストが、まるで一枚の絵画のよう。時間を忘れて、ただただ景色に見入ってしまいました。砂丘の「動」の魅力に対して、浦富海岸は「静」の魅力。この二つの異なる自然美を味わうことで、鳥取の自然の奥深さをより感じられると思います。
神話の世界へ、縁結びの「白兎神社」
鳥取の旅で、ロマンチックな気分に浸りたいなら「白兎神社(はくとじんじゃ)」は外せません。ここは、日本最古の恋物語とも言われる神話「因幡の白うさぎ」の舞台となった場所。大国主命(おおくにぬしのみこと)と八上姫(やかみひめ)の縁を結んだとされる白うさぎが祀られており、古くから縁結びのパワースポットとして知られています。
神社の境内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、あちこちに置かれた可愛らしいうさぎの石像。それぞれ表情が違って、見ているだけで心が和みます。参道脇の池は、神話でうさぎが体を洗ったとされる「御身洗(みたらし)池」。この池は、どんな日照りや豪雨でも水位が変わらないと言われていて、不思議なパワーを感じずにはいられません。

そして、神社でぜひ手に入れてほしいのが、うさぎの形をしたお守りや、縁結びの願いを込める「結び石」。この結び石を鳥居の上に乗せたり、神社の敷地内に置いたりすることで、願いが叶うと言われています。神社のすぐ目の前には、神話の舞台となった「白兎海岸」が広がっていて、その美しい景色も必見です。白い砂浜と青い海のコントラストは、まさに神話の世界に迷い込んだかのよう。恋人の聖地にも認定されているこの場所で、大切な人との縁を願ってみるのも素敵ですね。
歴史の薫るまち歩きと、絶品グルメ探訪
鳥取の魅力は、豊かな自然だけではありません。城下町として栄えた歴史を感じられるスポットもたくさんあります。中心部にある「鳥取城跡」と、その麓に佇む「仁風閣(じんぷうかく)」は、ぜひセットで訪れたい場所。鳥取城は、難攻不落の城として知られ、現在は石垣や堀がその面影を残しています。天守閣跡まで登ると、鳥取市内を一望でき、爽快な気分を味わえます。
そして、仁風閣は、明治時代に建てられたフレンチ・ルネッサンス様式の白亜の洋館。当時の皇太子(後の大正天皇)の宿舎として建てられたもので、その優雅で気品あふれる佇まいは、まるでヨーロッパの宮殿のよう。中に入ると、螺旋階段や寄せ木張りの床など、細部にまでこだわった美しい装飾に目を奪われます。映画のロケ地にもなったこの場所で、明治時代のロマンに思いを馳せるのも、また一味違った鳥取の楽しみ方です。
旅の締めくくりは、やっぱり美味しい地元グルメ。鳥取は日本海に面しているだけあって、海産物の宝庫です。冬の松葉ガニはもちろん、夏には甘みが強い白イカや、幻のエビとも呼ばれる「もさエビ」など、四季折々の新鮮な魚介類が味わえます。鳥取駅周辺には、地元の食材を活かした居酒屋や寿司屋がたくさんあるので、お店選びに迷うのも楽しい時間です。
そして、忘れてはならないのが「すなば珈琲」。スターバックスが鳥取に進出するまで「鳥取にはスタバはないけど、すなば(砂場)はある」というキャッチフレーズで全国的に有名になりましたよね。今ではすっかり鳥取名物として定着し、地元の人々や観光客で賑わっています。どこか懐かしい雰囲気の店内で、サイフォンで淹れた本格的なコーヒーを飲みながら、旅の思い出を振り返る。そんな時間も、きっと忘れられない思い出になるはずです。
鳥取砂丘の壮大な景色はもちろん素晴らしいですが、そこから少しだけ視野を広げてみると、驚くほど多様で奥深い魅力に出会えるのが鳥取市です。美しい海岸線、神話が息づく神社、歴史を感じる街並み、そして美味しいごはん。次の旅行の計画を立てるとき、ぜひ鳥取を候補に入れてみてください。きっと、あなたの心に残る、素敵な物語が待っていますよ。





