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乗馬フィットネスで体幹を効果的に鍛える正しい姿勢と運動量

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乗馬がもたらす意外な運動量と、体幹やインナーマッスルを自然に鍛えるメカニズムについて解説します。

乗馬は全身を使う有酸素運動でありフィットネスである

ヘルメットを着用し、晴れた日の屋外馬場で栗毛の馬に乗り馬場馬術を楽しむ女性。
心地よい風を感じながら馬と共にリズムを合わせる時間は、心身ともにリフレッシュさせてくれる最高のフィットネスになります。Source: Barbara Olsen / pexels

乗馬は単に馬の上に跨っているだけで、走っているのは馬なのだからスポーツではないと思われがちですが、実際は全身の筋肉をしっかりと使うスポーツです。不安定に揺れる馬上でバランスを保つためには、人間側も常に様々な筋肉を使い続ける必要があります。そのため、初めて本格的な乗馬レッスンを受けた方の多くは想像以上の揺れに驚き、騎乗後には体のあちこちが筋肉痛になることで、乗馬が立派な運動であることを実感します。

具体的な運動量を見てみると、乗馬は10分間で約35キロカロリーを消費するとされています。これは、速歩きのウォーキング(29キロカロリー)やエアロビクス(32キロカロリー)、サイクリング(28キロカロリー)を上回る数値です。1回のレッスンである45分間ほど騎乗し続けると、約160キロカロリーを消費する計算になります。有酸素運動は脂肪の燃焼が始まるまでに時間がかかると言われていますが、乗馬は1回の運動時間が長いため、ダイエット目的のフィットネスとしても効率的です。

また、水泳やエアロビクスなどの運動を長期間継続するのは体力的に辛いことが多いですが、乗馬は「時間を忘れて楽しめる」のが大きな魅力です。馬とのコミュニケーションを楽しみながら非日常の空間で体を動かすため、疲労感よりも楽しさが勝りやすいといえます。運動が苦手な方でも無理なく取り組め、年齢や性別、体力に関係なくシニア層まで自分のペースで続けられるため、フィットネスとして非常に優れています。

無意識のうちに体幹とインナーマッスルが鍛えられるメカニズム

室内馬場で馬に乗り、トレーニングに励む女性の側面写真。
馬の揺れに合わせて自然にバランスを調整することで、意識せずとも体の中の深い筋肉が心地よく刺激されます。Source: Gustavo Fring / pexels

乗馬において最も集中的に鍛えられる部位は、体の中心である体幹やインナーマッスルです。体幹とは一般的に腕や脚を除いた胴体部分を指しますが、乗馬ではこの胴体の中心にある腹腔を囲む深層の筋肉が使われます。揺れ動く馬の背中の上で人間は本能的に落ちないようバランスを取ろうとしますが、この無意識にバランスを保とうとする動きこそが、自然と体幹を鍛えるトレーニングになります。

この体幹の強化は、単に筋肉を大きく太くするのではなく、身体の機能を高めるファンクショナルトレーニングとしての側面があります。手足の筋肉をどれだけ鍛えても、中心となる胴体が弱ければそのパワーを十分に発揮することはできません。乗馬によって骨盤底筋群や多裂筋、横隔膜などが細かく連動して働くようになると、無駄な力を使わずに体を安定させる感覚を身につけることができます。

また、乗馬では上半身だけでなく下半身の筋肉も継続的に刺激されます。馬の体を両脚で挟み込むような形をとるため、大腿筋やお尻の大臀筋といった下半身のインナーマッスルも使われます。「辛い筋トレをしている」という意識を持たなくても、馬に動かされている感覚の中で全身の筋肉が連動し、楽しく乗っているだけで自然とインナーマッスルが整っていくのが乗馬の魅力です。

正しい姿勢がもたらす美容と健康への効果

正しい騎乗姿勢のポイント

  • •頭のてっぺんが見えない糸で真上に引っ張られているイメージを持つ
  • •鞍の上でしっかりと座骨を立てて座る
  • •腹筋に力を入れて背筋をすっと伸ばす

乗馬で体幹を効果的に鍛えるためには、正しい姿勢での騎乗が欠かせません。理想的な姿勢は、頭のてっぺんに見えない糸がついていて、それを真上に引っ張られているようなイメージを持つことです。鞍の上でしっかりと座骨を立て、腹筋に力を入れて安定させることで、背筋がすっと伸びた美しい立ち姿を維持できるようになります。慣れてくると、馬が快適に動けるように自ら美しい姿勢を保とうとするため、さらに体幹が鍛えられます。

こうしてインナーマッスルが鍛えられ、体の中心がブレなくなることは、美容と健康の両面にメリットをもたらします。筋肉の動きがしなやかになることで日常の身のこなしが美しくなるだけでなく、パソコンやスマートフォンの長時間の使用で丸まってしまった猫背の解消にもつながります。正しい姿勢が定着すれば、慢性的な首や肩のこり、腰痛といった日常の不調を予防・改善する効果も期待できます。

加えて、体の内側の筋肉が強化されることは内臓の働きにも良い影響を与えます。インナーマッスルが発達すると、重力で下がりがちだった内臓を正しい位置でしっかりと支えられるようになります。内臓の位置が安定するとぽっこりお腹が解消されるだけでなく、臓器本来のパフォーマンスが発揮されて便秘の改善などにつながります。さらに、大きな筋肉であるインナーマッスルが鍛えられることで基礎代謝が上がり、睡眠時などでも脂肪を燃焼しやすい、痩せやすい体質を手に入れることができます。

自宅でできる乗馬に向けた体幹トレーニング

自宅で実践できる乗馬向け体幹トレーニング

種目実践方法効果・特徴
プランク両肘とつま先を床につき、頭からかかとまで一直線をキープする腰への負担を抑えながら全身の筋肉を強化
ドローイング仰向けで膝を立て、お腹をへこませながら息を深く吐き切るインナーマッスルを集中的に刺激
バランスボールボールの中央に座り、前後左右に揺れたり弾んだりする馬上でバランスをとる感覚を養う

乗馬は体幹を鍛える上で非常に優れたスポーツですが、馬場に足を運ばなければ実践できないという制約があります。ウォーキングのように「思い立った時にすぐ行う」ことが難しいため、雨の日や夜間などでも取り組めるよう、自宅でできる簡単な体幹トレーニングを併用するのがおすすめです。これにより、次回の騎乗時の姿勢維持が格段に楽になります。

自宅で手軽に効果を得られるトレーニングの一つが「プランク」です。うつ伏せの状態から両肘とつま先だけを床につけ、頭から背中、腰、かかとまでが一直線になるようにキープします。腰への負担が少なく、初心者でも安全に全身の筋肉を鍛えることができます。また、仰向けに寝て膝を立て、お腹をへこませながら深く息を吐き切る「ドローイング」という呼吸法を活用したトレーニングも、インナーマッスルを集中的に刺激する有効な方法です。

また、「バランスボール」を活用するのも、乗馬の感覚を養う上で相性がいい方法です。不安定なバランスボールの真ん中に座り、前後左右に揺れたり弾んだりすることで、馬上でバランスをとる感覚に近いトレーニングを行うことができます。慣れてきたら片足を上げたり、腕を胸の前で組んだりして難易度を上げることも可能です。日常生活の中で椅子代わりにバランスボールを使用するだけでも、体幹を意識する習慣が身につき、乗馬の上達と日々のフィットネスの両方に役立ちます。

参考資料

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