交通

本州四国連絡橋3ルートを徹底比較!神戸淡路鳴門・瀬戸中央・しまなみ海道、それぞれの旅の魅力とは?

本州と四国を結ぶ3つの壮大な橋。ただの交通路ではない、それぞれのルートが持つ個性豊かな特徴や楽しみ方を、旅好きの視点から深掘りします。あなたの次の旅は、どの橋を渡りますか?

夕暮れ時にライトアップされた明石海峡大橋
空が深い青に染まる頃、真珠のように輝き始める明石海峡大橋。この橋を渡るたび、壮大な景色に言葉を失います。Source: Buddy AN / unsplash

旅の計画を立てる時間って、どうしてあんなに心躍るんでしょうか。地図を広げて、まだ見ぬ景色に思いを馳せる。私にとって、それは旅そのものと同じくらい、かけがえのない時間です。特に、本州と四国という二つの大きな島を結ぶ「本州四国連絡橋」を渡る旅は、計画段階から特別なワクワク感がありますよね。

「どのルートで四国へ渡ろうか?」

この問いは、単なる経路選択ではありません。それぞれの橋が、まったく違う物語と体験を約束してくれるからです。ある橋は圧倒的なスケールで私たちを魅了し、ある橋は人と自然の温かい繋がりを感じさせてくれる。そしてまたある橋は、鉄道ファンやサイクリストたちの心を鷲掴みにして離しません。

今回は、そんな個性豊かな3つのルート、「神戸淡路鳴門自動車道」「瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)」「西瀬戸自動車道(しまなみ海道)」が、それぞれどんな魅力を持っているのか、じっくりと比較してみたいと思います。この記事を読み終える頃には、きっとあなたの次の旅の目的地が決まっているはずです。

関西からの最短ルート!世界最長の吊り橋を渡る「神戸淡路鳴門自動車道」

まずご紹介するのは、兵庫県神戸市と徳島県鳴門市を、淡路島を経由して結ぶ「神戸淡路鳴門自動車道」です。このルートは、京阪神エリアから四国へ向かう際、多くの人が利用するまさに「海の上の大動脈」。私も関西方面から四国へ向かうときは、そのアクセスの良さから、ついついこのルートを選んでしまいます。

このルートのハイライトは、何と言っても世界最長の吊り橋「明石海峡大橋」でしょう。全長3,911m。その雄大な姿は、ただ通過するだけでも感動的ですが、夜のライトアップは格別です。時間や季節によって色が変わるイルミネーションは「真珠のネックレス」とも称され、その美しさはまさに圧巻の一言。橋のたもとにある舞子公園や、淡路島側のサービスエリアから眺める夜景は、旅の疲れを忘れさせてくれるほどの絶景です。

そして、淡路島と四国を結ぶのが「大鳴門橋」。この橋の真下には、世界三大潮流の一つに数えられる「鳴門の渦潮」が渦巻いています。橋桁空間に設置された海上遊歩道「渦の道」を歩けば、約45mの高さから、ガラス張りの床越しに渦潮を覗き込むことができるんです。自然のダイナミックな力を間近で感じられる、スリル満点の体験ですよ。実はこの橋、将来的に新幹線が通れるように設計されているというから驚きです。もし実現していたら、どんな車窓風景が楽しめたのでしょうか。

瀬戸大橋の風景
瀬戸内海の穏やかな海と島々を背景に、雄大に連なる瀬戸大橋。この景色こそが、旅情をかき立てます。Source: Carlo_Nogaroto / pixabay

道路と鉄道の二重奏!技術の結晶「瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)」

続いては、岡山県倉敷市と香川県坂出市を結ぶ「瀬戸中央自動車道」、通称「瀬戸大橋」です。1988年に開通した、本州四国連絡橋の先駆け的存在。この橋の最大の特徴は、道路と鉄道が一体となった二層構造であること。上層を車が、下層をJR瀬戸大橋線の列車が走る姿は、まさに日本の土木技術の結晶です。

瀬戸大橋は、実は一つの橋ではありません。下津井瀬戸大橋、櫃石島橋、岩黒島橋、与島橋、北備讃瀬戸大橋、南備讃瀬戸大橋という6つの橋梁の総称で、その全長は9.4kmにも及びます。吊り橋、斜張橋、トラス橋と、様々な形式の橋が連なる姿は、まるで「橋の博物館」のよう。車で渡れば、瀬戸内海の多島美を縫うように進む、爽快なドライブが楽しめます。

私のおすすめは、列車で渡る体験です。快速「マリンライナー」に乗って、車窓からゆっくりと流れる島々の景色を眺めていると、まるで海の上を滑っているかのような不思議な感覚に包まれます。特に夕暮れ時、夕日に染まる瀬戸内海と橋のシルエットが織りなす風景は、言葉にできないほどの美しさ。途中、与島パーキングエリアに立ち寄れば、展望台からこの壮大な橋の全景を望むことができます。そのスケールの大きさに、きっと誰もが圧倒されるはずです。

サイクリストの聖地!島々を巡る冒険「西瀬戸自動車道(しまなみ海道)」

最後に紹介するのは、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「西瀬戸自動車道」、愛称「しまなみ海道」です。このルートは、他の二つとは全く異なる、唯一無二の魅力を持っています。それは、全長約70kmの道のりを、自転車や歩いて渡ることができるということ。CNNによって「世界で最も素晴らしい7つのサイクリングコース」の一つに選ばれたこともある、まさに「サイクリストの聖地」なのです。

しまなみ海道は、向島、因島、生口島、大三島、伯方島、大島という6つの島を、個性豊かな10の橋で結んでいます。尾道から今治まで、全ての橋を渡りきる本格的なサイクリングはもちろん、途中の島でレンタサイクルを借りて、気軽に楽しむこともできます。潮風を浴びながら、美しい海岸線やのどかな島の風景の中を駆け抜ける爽快感は、一度味わうと病みつきになりますよ。

このルートの醍醐味は、ただ走ることだけではありません。それぞれの島には、美味しい柑橘類を使ったスイーツや新鮮な海の幸、絶景カフェなど、思わず立ち寄りたくなるスポットが満載です。例えば、生口島の「ドルチェ」のジェラートを食べたり、大三島の「大山祇神社」で歴史に触れたり。橋の上から眺める、島々が織りなす瀬戸内海の風景は、時間や天候によって刻一刻と表情を変え、訪れるたびに新しい発見があります。急がず、寄り道しながら、自分だけの宝物を探すような旅が、ここにはあります。

しまなみ海道の橋の上を自転車で走る人
青い空と海に挟まれた道を、自転車で駆け抜ける。これ以上の開放感があるでしょうか。しまなみ海道ならではの最高の体験です。Source: Jan Bouken / pexels

あなたの旅は、どのルートから始まりますか?

さて、3つのルート、それぞれの魅力をご紹介してきましたが、いかがでしたか?

  • 神戸淡路鳴門自動車道は、とにかく早く、そしてダイナミックな景色を楽しみたいあなたに。
  • 瀬戸中央自動車道は、日本の技術力と瀬戸内海の多島美を、車窓や列車からのんびり眺めたいあなたに。
  • **西瀬戸自動車道(しまなみ海道)**は、自分の足で、五感で、瀬戸内の自然と文化を丸ごと体感したいあなたに。

どの橋を渡るか、それはどんな旅をしたいか、ということ。目的地にたどり着くまでの道のりさえも、忘れられない思い出に変えてくれるのが、本州四国連絡橋のすごいところです。さあ、次の休日は、どの橋を渡って、新しい物語を探しに行きますか?

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