【1泊2日】福島で心と体を満たす旅。会津の歴史と裏磐梯の絶景を巡るモデルコース

最近、なんだか心が疲れているな、と感じることはありませんか？毎日同じことの繰り返しで、どこか遠くへ行きたい。そんな風に思う時、私は決まって旅の計画を立てます。今回、私が皆さんに提案したいのは、福島の会津地方を巡る1泊2日の旅。ここは、ただの観光地じゃないんです。日本の深い歴史と、壮大な自然、そして何より、人の温かさに触れられる特別な場所だと、私は思っています。

私自身、初めて福島を訪れた時、その奥深さにすっかり魅了されてしまいました。力強い歴史の物語が息づく会津若松の城下町、そして、季節ごとに全く違う顔を見せる裏磐梯の自然。どちらも、都会の喧騒の中では決して味わえない、心洗われるような体験でした。今回は、そんな福島の魅力を余すところなく楽しめる、少し欲張りなモデルコースを考えてみました。この旅が、あなたの心に新しい風を吹き込んでくれることを願って。

1日目：歴史の息吹を感じる会津若松と、江戸の宿場町へ

旅の始まりは、歴史ロマンあふれる会津若松から。東京から新幹線と在来線を乗り継げば、約3時間で到着します。駅に降り立った瞬間から、どこか空気が澄んでいるような、凛とした雰囲気を感じるはず。さあ、ここから私たちの物語が始まります。

午前：難攻不落の城、鶴ヶ城の天守閣から歴史を想う

会津若松のシンボルといえば、やはり「鶴ヶ城」ですよね。このお城の天守閣は、日本では唯一の「赤瓦」を使っているのが特徴で、青い空とのコントラストが本当に美しいんです。でも、このお城の魅力は見た目だけではありません。戊辰戦争の際には、約1ヶ月にも及ぶ激しい攻防に耐え抜いたことから「難攻不落の名城」として知られています。その壁や石垣の一つ一つに、当時の人々の想いや誇りが刻まれているようで、ただ眺めているだけで胸が熱くなります。

天守閣の最上階からは、会津の街並みや雄大な磐梯山を一望できます。かつてのお殿様や武士たちも、この景色を見て何を思ったのでしょうか。そんな風に歴史に想いを馳せる時間は、何とも言えない贅沢なひとときです。城内は博物館にもなっているので、会津の歴史や文化をじっくり学ぶのもおすすめ。特に、悲劇の少年部隊として知られる「白虎隊」の物語は、会津の歴史を語る上で欠かせません。

午後：時が止まった場所、大内宿で江戸時代にタイムスリップ

会津若松で歴史の重みに触れた後は、バスに揺られて南へ。山道を抜けた先に、まるで江戸時代から時が止まったかのような宿場町「大内宿」が現れます。茅葺き屋根の民家が街道沿いにずらりと並ぶ光景は、圧巻の一言。ここは、電線がすべて地中に埋められているため、視界を遮るものが何もなく、本当にタイムスリップしたかのような感覚に陥ります。

ここでぜひ体験してほしいのが、名物の「ねぎそば」。お箸の代わりに、一本の長ねぎを使ってそばを食べるという、何ともユニークな郷土料理です。最初は「食べにくいかな？」なんて思うのですが、これが意外と楽しい。薬味としてねぎをかじりながらいただくお蕎麦は、素朴ながらも忘れられない味わいです。街道沿いには、手焼きのおせんべいやさんや、とち餅を売るお店、可愛らしい民芸品店などが並んでいるので、ゆっくり散策しながらお気に入りを見つけるのもいいですね。

夕方：湯けむりに癒される東山温泉へ

旅の初日の締めくくりは、会津若松の奥座敷「東山温泉」で。開湯約1300年という歴史ある温泉郷で、サラサラとしたお湯が旅の疲れを優しく癒してくれます。川のせせらぎを聞きながら露天風呂に浸かれば、日中の喧騒が嘘のように遠ざかっていき、心からリラックスできるはず。夕食には、こづゆや馬刺しといった会津の郷土料理を。地元の食材をふんだんに使った料理は、どれも滋味深く、体の内側から元気にしてくれます。

2日目：神秘の五色沼と、心に染みる喜多方ラーメン

2日目は、裏磐梯の雄大な自然を満喫し、旅の締めくくりに絶品ラーメンを味わうコースです。昨日とはまた違う、福島の新たな一面を発見しに行きましょう。

午前：歩くたびに色を変える、神秘の五色沼

朝、旅館で美味しい朝食をいただいたら、裏磐梯高原へと向かいます。ここでのハイライトは、何と言っても「五色沼湖沼群」。磐梯山の噴火によって生まれた大小様々な沼が点在しており、その名の通り、沼によってエメラルドグリーンやコバルトブルー、赤銅色など、水の色が全く違うんです。

「五色沼自然探勝路」という約1時間半のハイキングコースを歩けば、毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、弁天沼、瑠璃沼など、個性豊かな沼たちに次々と出会えます。なぜこんなにも色が違うのかというと、水質に含まれる火山性の物質や、光の屈折、水中の植物などが複雑に影響し合っているからだそう。特に、私が訪れた秋は、燃えるような紅葉と沼の青のコントラストが息をのむほどの美しさでした。自然が創り出した色彩のパレットの上を歩いているような、不思議な感覚に包まれます。

午後：旅の締めは、心温まる喜多方ラーメンで

五色沼の美しい景色でお腹いっぱいになった後は、いよいよお待ちかねのランチタイム。向かうは、ラーメンの聖地「喜多方」です。喜多方ラーメンは、札幌、博多と並ぶ日本三大ラーメンの一つ。その特徴は、もちもちとした食感の平打ち熟成多加水麺と、豚骨や煮干しから出汁をとった、あっさりしているのにコクがある醤油スープです。

市内には100軒以上のラーメン店がひしめき合っていると言われ、お店ごとにスープの味や麺の太さ、チャーシューの作り方などが違うので、どこに入るか迷うのもまた楽しみの一つ。中には、朝からラーメンを食べる「朝ラー」文化が根付いているお店も。優しい味わいのスープだから、朝からでも不思議と食べられてしまうんです。私がいただいた一杯は、どこか懐かしくて、じんわりと体に染み渡るような美味しさでした。この味を求めて、またここに戻ってきたい。心からそう思える、旅の締めくくりにふさわしい一杯でした。

旅の終わりに

歴史に触れ、自然に癒され、美味しいもので心と体も満たされる。福島の旅は、日常で少しだけ乾いてしまった心に、潤いを与えてくれるような時間でした。きっと、あなたが思っている以上に、福島は豊かで、深く、そして温かい場所です。

もし次の休日の予定がまだ決まっていなかったら、このモデルコースを参考に、福島の旅へ出かけてみませんか。きっと、あなたの心に残る、素敵な物語が待っているはずです。