アイルランド国内の移動手段:電車・バスを使った効率的な旅行計画
レンタカーがなくても大丈夫。アイルランドの雄大な自然と温かい文化に触れる、電車とバスを駆使した自由気ままな旅の計画方法を、実体験を交えてご紹介します。

エメラルド色に輝く島、アイルランド。その広大な自然や、歴史の息吹を感じる街並みを想像するだけで、心が躍りますよね。でも、いざ旅の計画を立てようとすると、「移動はどうしよう?」という壁にぶつかる方も多いのではないでしょうか。もちろん、レンタカーで自由に巡るのも魅力的ですが、慣れない左側通行や細い田舎道の運転は少し不安…。それに、旅の夜は地元のパブでギネスを心ゆくまで楽しみたい、なんて思いませんか?
実は、アイルランドは電車とバスを組み合わせることで、驚くほど快適で効率的に旅ができる国なんです。私自身、運転免許を持っていないこともあり、アイルランドを訪れた際はいつも公共交通機関を頼りに旅をしています。運転のストレスから解放され、車窓に流れる美しい景色にただ身を委ねる時間。それこそが、旅の醍醐味だと感じています。今回は、そんな私の経験も踏まえながら、アイルランドの電車とバスを賢く使った旅行計画の立て方をご紹介します。
アイルランド鉄道の旅:車窓からの絶景を楽しむ
アイルランドの都市間を移動するなら、アイルランド国鉄(Iarnród Éireann / Irish Rail)がとても便利です。首都ダブリンを起点に、南部のコーク、西部のゴールウェイやリムリック、そして北アイルランドのベルファストまで、主要な都市はほとんど鉄道で結ばれています。日本の新幹線のような高速鉄道ではありませんが、その分、車窓から見えるのどかな田園風景をゆっくりと楽しめるのが魅力です。

特に、ダブリンのヒューストン駅(Heuston Station)から出発する長距離路線は、アイルランドのハイライトとも言えるでしょう。どこまでも続く緑の牧草地、点在する可愛らしい家々、そして時折姿を現す羊の群れ。まるで絵本の中の世界を旅しているような気分にさせてくれます。座席は比較的ゆったりとしていて、Wi-Fiや電源が完備されている車両も多いので、数時間の移動も快適に過ごせます。
チケットは、駅の窓口や券売機でも購入できますが、断然おすすめなのがオンラインでの事前予約です。Irish Railの公式サイトやアプリから予約すると、早期割引が適用されてかなりお得になることが多いんです。特に、週末や観光シーズンは混み合うので、早めに計画を立てて予約しておくのが賢明。予約時に座席指定もできるので、進行方向の景色が良い窓側席を確保するのをお忘れなく。
バスを使いこなす:アイルランドの隅々まで
鉄道が主要都市を結ぶ動脈だとすれば、バスは国中に張り巡らされた毛細血管のような存在です。アイルランド最大のバス会社「バス・エーラン(Bus Éireann)」は、鉄道が通っていない小さな町や村、観光地まで、幅広いネットワークを誇ります。モハーの断崖やディングル半島といった絶景スポットへ行くにも、バスは欠かせない足となります。

長距離バスは、鉄道に比べて運賃が安く、本数も多いのが嬉しいポイント。CitylinkやGoBusといった民間のバス会社も、ダブリン〜ゴールウェイ間などの人気路線でサービスを提供しており、競争がある分、価格も手頃でサービスも充実しています。ダブリン空港から地方都市へ直接向かうバスも多く、アイルランド到着後すぐに目的地へ移動したい場合に非常に便利です。
ただし、バスの利用には少しだけコツがいります。バス停で乗りたいバスが来たら、手を挙げて運転手に乗車の意思を伝えましょう。これをしないと、バスは停まらずに通り過ぎてしまうことがあります(私も最初の頃、何度かやらかしました)。また、ダブリン市内のバスではお釣りが出ないことが多いので、交通系ICカード「Leap Card」を使うか、運賃ぴったりの小銭を用意しておくとスムーズです。
旅の計画と必須アイテム「Leap Card」
効率的な旅の計画には、情報収集が不可欠です。アイルランドの公共交通機関のルート検索や時刻表の確認には、「Transport for Ireland (TFI)」の公式サイトや公式アプリが非常に役立ちます。出発地と目的地を入力するだけで、利用可能な電車やバスのルート、乗り換え方法、所要時間を一覧で表示してくれる優れものです。Googleマップもリアルタイムの運行状況を反映してくれるので、併用するとさらに安心です。
そして、アイルランドを公共交通機関で旅するなら絶対に持っておきたいのが、先ほども少し触れた「Leap Card(リープカード)」。これは日本のSuicaやPASMOのようなチャージ式のICカードで、ダブリン市内のバス、路面電車(Luas)、近郊列車(DART)はもちろん、バス・エーランの一部の路線でも利用できます。現金で支払うよりも運賃が割引になる上、小銭を探す手間が省けるので、本当に便利。
特に旅行者におすすめなのが、「Leap Visitor Card」です。これは1日、3日、7日間、ダブリン市内の公共交通機関が乗り放題になるお得なパス。ダブリン空港の売店などで購入できるので、到着したらまず手に入れることをお勧めします。このカード一枚で、ダブリン市内の観光はほぼカバーできると言っても過言ではありません。
電車とバスを組み合わせたモデルプラン
最後に、電車とバスを組み合わせた旅のイメージが湧くように、簡単なモデルプランを提案します。
【4泊5日:ダブリンと西海岸の絶景を巡る旅】
- 1日目: ダブリン到着。Leap Visitor Cardを購入し、バスで市内観光。テンプルバー地区を散策し、パブで本場の音楽に触れる。
- 2日目: 午前中、ダブリン城やトリニティ・カレッジを見学。午後、ヒューストン駅から電車でゴールウェイへ移動(約2.5時間)。ゴールウェイの街の雰囲気を楽しむ。
- 3日目: ゴールウェイからバス・エーランの日帰りツアーに参加し、モハーの断崖へ。大西洋の壮大な景色に息をのむ。
- 4日目: 午前、ゴールウェイの街を散策。午後、バスでダブリンへ戻る(約2.5〜3時間)。
- 5日目: ダブリン空港から帰国。
これはあくまで一例ですが、このように電車とバスを組み合わせることで、都市の魅力と大自然の両方を満喫する、変化に富んだ旅を組み立てることができます。
アイルランドの公共交通機関の旅は、時に少し時間がかかったり、予定通りに進まなかったりすることもあるかもしれません。でも、そんなハプニングさえも楽しめるのが、個人旅行の面白いところ。車窓から見える何気ない風景や、バスで隣に座った地元の人とのささやかな会話が、きっと忘れられない思い出になるはずです。さあ、あなただけのアイルランドの旅を、計画してみませんか。
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