旅行費用を賢く節約するための5つの方法

「あぁ、どこか遠くへ行きたいな」。日常から少しだけ離れて、知らない景色を見たり、美味しいものを食べたり。そんな旅への憧れは、いつも心のどこかにありますよね。でも、現実問題として立ちはだかるのが「費用」の壁。交通費、宿泊費、食費…と計算していくうちに、ため息が出てしまうことも少なくありません。私自身、昔は「旅行＝贅沢」だと思い込んでいて、お金をたくさんかけないと楽しめないんじゃないかと感じていました。

でも、ある時から旅のスタイルを少し変えてみたんです。豪華なホテルじゃなくても、毎食レストランじゃなくても、旅はできる。それどころか、工夫次第で費用を抑えた方が、より深くその土地を知ることができたり、予想外の出会いがあったりすることに気づきました。節約は、我慢することじゃない。旅の満足度を下げずに、むしろ新しい楽しみ方を見つけるための「賢い工夫」なんです。

この記事では、私が実践している「旅行費用を賢く節約するための5つの方法」をご紹介します。次の旅行計画を立てるのが、きっと今よりもっと楽しくなるはずです。

1.【旅の基本】オフシーズンと平日を狙う

まず、最も効果が大きく、そして基本的な節約術が「旅行する時期」を選ぶことです。多くの人が休みになるゴールデンウィーク、お盆、年末年始といった大型連休は、言うまでもなく旅費が一年で最も高騰する時期。飛行機代も新幹線のチケットも、ホテルの宿泊費も、普段の1.5倍から2倍以上になることも珍しくありません。桜や紅葉のベストシーズンも同様に、人気が集中するため価格は上昇傾向にあります。

では、いつが狙い目かというと、それはズバリ「オフシーズン」と「平日」です。例えば、大型連休の前後や、梅雨の時期、冬の寒い時期（ウィンタースポーツのメッカは除く）などは、観光客が比較的少なく、旅費も落ち着いています。特に平日の旅行は、週末に比べて宿泊費が数千円単位で安くなることがほとんど。同じホテル、同じ部屋でも、泊まる曜日が違うだけでこんなに価格が変わるのかと驚くはずです。

オフシーズンの旅は、費用が抑えられるだけではありません。観光地が混雑していないので、自分のペースでゆっくりと見て回ることができます。行列に並ぶ時間も少なく、写真も撮りやすい。静かな環境で、その土地の雰囲気をじっくりと味わうことができるのは、何にも代えがたい贅沢だと私は感じています。旅の計画を立てるなら、まずはカレンダーを広げて、世間の動きと少しだけズラしてみることから始めてみてください。

2.【交通費革命】LCCと早割、セットプランを使いこなす

旅費の中で大きな割合を占める交通費。ここをどう抑えるかが、節約の鍵を握っています。遠距離の移動であれば、飛行機か新幹線が主な選択肢になりますが、どちらも賢い選び方があります。まず飛行機なら、LCC（格安航空会社）の活用はもはや常識と言えるでしょう。セール時期を狙えば、本当に驚くような価格でチケットが手に入ることがあります。

ただし、LCCを利用する際にはいくつか注意点も。座席指定や手荷物の預け入れが有料であったり、機内サービスが簡素であったりすることが多いです。しかし、「移動手段」と割り切ってしまえば、これほどコストパフォーマンスの高い選択肢はありません。予約時には、追加料金の規定をしっかりと確認し、トータルでいくらかかるのかを計算することが大切です。

新幹線や特急を利用する場合は、「早割」系のきっぷをチェックしない手はありません。JR各社が提供している「えきねっとトクだ値」や「EX早特」などは、乗車日の数週間前までに予約することで、正規料金よりもかなり安く購入できます。また、交通と宿泊がセットになった「ダイナミックパッケージ」や「フリープラン」も非常に魅力的。個別に手配するよりも総額が安くなるケースが多いので、旅行予約サイトで必ず比較検討するようにしましょう。

3.【宿泊費の工夫】ホテルの常識を捨ててみる

宿泊費も、工夫次第で大きく節約できるポイントです。もちろん、高級ホテルや温泉旅館での滞在は魅力的ですが、毎回そこを選ぶ必要はありません。最近は、宿泊施設の選択肢が本当に多様化しています。私がよく利用するのは、価格が手頃で機能的な「ビジネスホテル」。特に地方都市では、清潔で快適なビジネスホテルがたくさんあり、朝食付きで驚くほどリーズナブルな価格で泊まれることも。

もっと費用を抑えたいなら、「ゲストハウス」や「ホステル」という選択肢もあります。ドミトリー（相部屋）に抵抗がないなら、一泊数千円で泊まれる場所も珍しくありません。個室があるゲストハウスも多いですし、何よりリビングスペースなどで他の旅行者と交流できるのが大きな魅力。そこで得た情報が、旅をさらに面白くしてくれることもあります。

予約する際は、一つの予約サイトだけでなく、複数のサイトを比較することが鉄則です。サイトによって独自のセールやクーポンを発行していることがあるため、同じ施設でも価格が異なる場合があります。また、少し中心部から離れたエリアで探してみるのも一つの手。一駅違うだけで、宿泊費がぐっと下がることもあります。その土地の公共交通機関を上手に使えば、少し離れていても不便を感じないことが多いですよ。

4.【食費のメリハリ】地元のスーパーと市場は宝の山

「旅の楽しみは食事にあり」という人も多いでしょう。もちろん、私もその一人です。ご当地の美味しいものを食べることは、絶対に譲れないポイント。でも、毎食レストランや観光客向けのお店で食べていては、食費はあっという間に膨れ上がってしまいます。そこでおすすめなのが、「食事にメリハリをつける」ことです。

例えば、朝食や昼食は、地元の人が利用するスーパーマーケットや市場で調達してみるのです。そこには、観光客向けではない、本物の「日常の味」が並んでいます。ご当地パンや、地元のお惣菜、新鮮な果物など、見ているだけでも楽しいですし、価格も非常に良心的。公園や景色の良い場所で、ピクニック気分で食べるのも最高の思い出になります。

そして、夜は少しだけ奮発して、リサーチしておいたレストランや居酒屋へ。一日一食、本当に食べたいものにお金を使うと決めれば、食全体の満足度は高いまま、費用をぐっと抑えることができます。地元のスーパーは、その土地の食文化を知るための最高の博物館。ぜひ、旅先でスーパー巡りをしてみてください。

5.【体験の価値】無料・格安スポットを遊びつくす

観光費用も、積み重なると大きな出費になります。有名な観光施設やテーマパークは入場料も高額になりがち。もちろん、それも旅の目的の一つであれば良いのですが、節約を意識するなら、無料または格安で楽しめるスポットを旅のプランに組み込むことをおすすめします。

例えば、手入れの行き届いた大きな公園、美しい海岸線、歴史的な街並みの散策などは、お金をかけずに心を満たしてくれます。また、多くの市町村には、地域の歴史や文化を紹介する郷土資料館や博物館があり、その多くは無料か、非常に安い入館料で楽しむことができます。展望台なども、市役所や公共施設の上層階が無料で開放されているケースが意外と多いものです。

事前に旅先の観光情報を調べて、「無料 観光スポット」といったキーワードで検索してみると、知らなかった魅力的な場所がたくさん見つかるはずです。有料の施設を巡る場合も、複数の施設に入れる「共通券」や「周遊パス」がないかチェックしてみましょう。これらを活用することで、個別にチケットを買うよりもずっとお得に観光できます。お金をかけなくても、心に残る体験はたくさんできる。その発見こそが、賢い旅の醍醐味かもしれません。

旅は、かけた金額の大きさで価値が決まるものではありません。少しの工夫と情報収集で、予算が限られていても、心から満足できる旅は必ず実現できます。節約で生まれた心の余裕と予算で、本当にしたかった体験を手に入れる。そんな自分だけのオリジナルな旅を、ぜひ計画してみてください。あなたの次の冒険が、素晴らしいものになることを願っています。